私は中学二年の頃、初めて好きな人ができた。


彼は、隣のクラスで、スポーツ万能で、もちろん女の子にも、モテた。


夏休みにはいり、友達と海に行った帰りに、偶然、彼にあった。


制服ではない彼にドキドキし、少し胸元の開いたシャツを着ている彼に、大人を感じ、胸が張り裂けそうだった。


『お〜す、おまえら、もう帰り?』
彼が話しかけてきた。


私は恥ずかしくて、友達のスカートの裾をもったまま、彼のことを見ることができず…


『あのさぁ、ここで会うのも運命だよなぁ〜』


彼が独り言のように呟き、私に向かって歩いてくる。

暑い、暑い、蝉の声がけたたましく鳴くなか…


『ゆきのん、俺、前から、ずっと、好きだったんだぁ。俺と付き合ってください。』


私はその場所から動くことができずに


『あ…あ…』ドキドキ…


『あの、私もあなたの事、ずっとみてましたぁ。』


二人の夏が始まった…


…このときは、まだ何もしらなかったから。