追いついた時にはちょうど先輩が階段を降りているところで、呼び止めようと声をかけた。

「せんぱ…『遅ーい!!』」

私の声は届かなかった。

目の前には先輩と女の人。親しそうな雰囲気を見れば、ただの友達なんかじゃないのなんて一目瞭然で。

「もぉ~、ずっと待ってたんだからね?早く行こう!!」

そう言ってその女の人と先輩は一緒に帰っていった。

「そっかぁ、彼女いたんだ…。」

そうつぶやいて、ズキズキ痛む胸をおさえながら私は階段でぽつん、と立ちつくしていた。