【中編】彼女の嘘

「遼、大丈夫か?」


「うん。」


疾風、めっちゃ情けない声してる。


「妊娠してたら、すぐ結婚しなきゃだな。」


私の背中を優しくなでながら言った。


「うん。」


「遼、これで戻りやすくなったな。」


「へっ?」


意味がわからない。


「遼、戻るの怖がってたろ?」


「.....一応、覚悟してたから。」



「妊娠して、不安だったって言えばいい。俺が、ちゃんと責任とるかとかさ。」


どうして?


なにも言えなかった。


理由知っても、隠していいの?



どうして、悪者になろうとするの?



私が悪いのに。


「遼、いろんな不安与えてたのって、結局俺のせいだろ?」


「違うよ。......ごめん。やっぱ、気持ち悪い。」


ちゃんと話したいのに。


気持ち悪くて無理。


「ゆっくり、話し合っていこうよ。俺らのペースで行こうな。」



なんか、やっぱ妊娠だよね。