【中編】彼女の嘘

「俺だって、遼だけだよ。」


「冗談?」


私は、ぽか〜んとした。


「あのな〜」


疾風が私を睨んだ。


「だって.....」



「俺は、お前としかつき合ってないんだから当たり前だろ?」


そういえば、そっか。


なんか、私って....



「疾風、ごめんなさい。」


「いいんだけどさ。俺が素直じゃないからさ。」


「私だって....」


「今、遼が俺のとこにいるならいい。」



疾風。


私、もっと責められてもいいのに。


疾風を傷つけたんだよ。


なのに....


「私、疾風が大好きなの。」


「知ってる。俺も遼が大好きだ。愛してる。」



「いなくなって、ごめんなさい。」