【中編】彼女の嘘

私の部屋に入ると疾風は、私を抱きしめた。


「遼」


「疾風」


久々、心地いい。


やっぱり、私には疾風なんだと実感する。


不安は、消えた。


だって、疾風がわかってくれたから。


「確認なんだけどさ。星井さんとなにもないよな?」


疾風は、疑うような目。


仕方ないけど。


「えっ?当たり前だよ。」


「よかった。俺、遼が俺以外を受け入れたらどうしようって。」


「疾風、私は、疾風だけだよ。」



私は、疾風しか知らない。


てか、疾風しかいらない。