イヴと監守レイリードとの出会いは


尋問室であった。



「君が
蓮・ルシフェル・イヴァンナだね?」



話し掛けてきたのは、それでも彼の方からだった。
これから始まるイヴの一方通行の思いは、
まだ眠ったまま。




「ええ。わたしが蓮・ルシフェル・イヴァンナ」



その受け答えは
半ば、義務的だった。


監獄に入れられた当初のイヴは、


もう人生なんてどうだっていい


やらなきゃいけないことも
やりたいこともやりきってしまった


わたしの人生、
これでお仕舞いだよ


判決で死刑にならなかったから


今からの人生は



余生だ



そう思っていたのだ。


新たな出会いになんの魅力もなかった。