my sweet home~行方不明の私~

誰かのために差し出したその体は、今や機械のように冷たく人とは言えないくらいに人工的になっている。





ところで、なぜ体に残る刺青という形でその証を残さなければいけなかったのか_____




なぜならイウ゛が死んだその瞬間、その体一つが物として東照機国の医療機関の献体として差し出されることになっているからだ。




余計な書類もなく、身元確認の必要もないための刺青。
あの刺青には身元の情報までも入っているのだ。





それもこれも、イウ゛がその体にメスを入れた幼き頃のことだった。






イウ゛にとってあの頃のことは、今でも思い出すのが辛い。





しかし、思い出さなければいけなくなる瞬間がやがてやってくる。






それまでイウ゛は自分の未来など知らずに獄中生活を送るのだった。