一瞬だけ見えた。
イウ゛の背中には、青黒い線で印された刺青があったのだ。
その刺青は、お洒落やハクをつけるために入れたようなものではなく。
数字や文字が無機質に並列されているものだった。
「何のぞきなんてキャラじゃないことやってんの、バカ監守」
扉の向こうで毒づくイウ゛。レイリードは顔を真っ赤にして謝る。
「ごめん。本当にごめん!」
イウ゛は着替えのさなかだったのだ。
ああ、こんなヤツに頭を下げることになるなんて・・・
それにしてもあの刺青はいったい何なのだろう・・・
レイリードは、イウ゛の身辺の状況なんて知りたくもないと思いつつも、あの曰くありげな刺青の正体を知りたいと思った。