「ありがとうシャイニー」


レイリードの内側にほくほくとした温かな感覚が広がった。


「先輩ならきっと大丈夫ですよ」


シャイニーの言葉が本当に大丈夫な気にさせてくれる。

レイリードは、
リリス・バレンタイン・シャイニーにぞっこんだった。



実のところ、
ジャスミンというお茶の香りが一瞬とある人物を思い起こさせていた。

ジャスミンティーと同じエキゾチックな雰囲気を持つ、父親が東の国の出身という、
黒髪で黒い瞳で生意気そうなあの女。


蓮・ルシフェル・イヴァンナ。



シャイニーといれば、どんなやつが脳裏に現れいでようが、
その存在を許してやれそうな気がする。


かつてレイリードの存在を行方不明にした憎き“政治犯達”
許さないと誓った。


だけどシャイニーがこの世界にいてくれることが、暗い夜道を照らす満天の星空そのものだ。


名前もなく、帰る場所も失い何処にも行けずにいる行方不明の自分を、彼女は見つけ出してくれる。


シャイニーは確かにここにいる。


それだけはレイリードの絶対唯一の聖典であり、救いなのだ。