いつも、
どんな境遇の誰にでも、
同じ顔を見せる人間はいない。


時と場合と相手によって
見た目や言葉、雰囲気すら変えて付き合うのである。

そして人はそれを、
ペルソナと呼ぶことがある。




一人の人間の顔がこうも変わってしまうのかと思うほど
レイリードの表情はゆるみっぱなしだった。

レイリードのペルソナは、

キリッとした鉄の仮面から一転して
シャイニーの眼前でのみ優しく朗らかな…
にやけた表情になるのである。


「シャイニーの顔を見るとなんだか落ち着くな」


レイリードの言葉にシャイニーは微笑みを返した。


「シャイニーといると仕事でゴタゴタしてることとか思い出さなくて済むよ。最悪なこととかさ…」



「・・・何かあったの先輩?」


「いや。・・・まぁ、何ていうか、目指してたものと現実のギャップみたいな。
俺がやりたかった仕事って本当にこれだったのかなとか、そういうのが見えてきちゃってさ」