「はい。あいつ、てか、イヴァンナ囚には、もっと、
何て言いますか、キツい矯正をした方がいいんじゃないですか?」




「・・・ふむ。
なるほどなぁ。
君は転移を知っているだろう?基本中の基本なのだが。
対象が、…この場合イヴァンナ囚なのだが、監守である者に家族や恋人に抱く気持ちを持った時、対象の治療がスムーズにいく可能性が高くなるのだよ」



「その話しは大学で習ってますよ。
転移については上官の話しがごもっともです。
しかし、自分がイヴァンナ囚に施したいのは治療じゃないんです。
治療なんて、病気に対してするような言い回しの生温いやり方じゃ」


「レイリード君は、
イヴァンナ囚に対して何か思う所が本当にないのかね?
イヴァンナ囚でなければ、政治犯について。
どうであれ対象に特別な感情を抱くのは、仕事に私情を持ち込むような恥ずべきことだと思ってもらいたいのだが」




「・・・そのとおりだと思います」