“是非とも”?
それが引っ掛かりはしたが、
レイリードは上官に向けて続けるのは難しいと、苦悩した表情を見せた。
「君はこの監獄で、政治犯の精神の矯正なんていう、
いったい何をするのかよくわからない仕事に付き、苦悩していることだと思う。
実際、君の上官である私も未だにそうなのだ。これが本当に正しいことなのかどうか確証もないのだ。
人にはそれは相性というものがあるし、囚人と監守にもあるわけで、
苦痛を強いるのは酷かもしれないが・・・」
チッ・・・
苦々しい心痛からおもわず漏れたレイリードの舌打ちが、
上官の言葉を遮った。
「自分、ダルいんすよ。
─まず、囚人には個々人に対する治療の方針を定める─
それを決めた時点で方針から間違ってたんだと思います。
無理だったんですよ」
上官はしばし考えて言った。
「家族療法のことかね?
ルシフェル・イヴァンナ囚のようなケースは経歴からもわかるように、家族の関係が幼い頃に崩壊していることが多いのだ。
それでまずは家族療法を考えたのだが、
君はそれが間違っていると?」
それが引っ掛かりはしたが、
レイリードは上官に向けて続けるのは難しいと、苦悩した表情を見せた。
「君はこの監獄で、政治犯の精神の矯正なんていう、
いったい何をするのかよくわからない仕事に付き、苦悩していることだと思う。
実際、君の上官である私も未だにそうなのだ。これが本当に正しいことなのかどうか確証もないのだ。
人にはそれは相性というものがあるし、囚人と監守にもあるわけで、
苦痛を強いるのは酷かもしれないが・・・」
チッ・・・
苦々しい心痛からおもわず漏れたレイリードの舌打ちが、
上官の言葉を遮った。
「自分、ダルいんすよ。
─まず、囚人には個々人に対する治療の方針を定める─
それを決めた時点で方針から間違ってたんだと思います。
無理だったんですよ」
上官はしばし考えて言った。
「家族療法のことかね?
ルシフェル・イヴァンナ囚のようなケースは経歴からもわかるように、家族の関係が幼い頃に崩壊していることが多いのだ。
それでまずは家族療法を考えたのだが、
君はそれが間違っていると?」


