my sweet home~行方不明の私~



明くる日の夕方、
レイリードは上官に呼び出された。


「なんすか上官」


「ああ、レイリード君。
蓮・ルシフェル・イヴァンナ囚との面接は順調かい?」


「・・・ええ。まぁ」

夕日を背にして立つ上官は、目を細め、品良く蓄えられた髭を触りながら渋い顔をしていた。


「実は、
イヴァンナ囚と面接をした別の心理士から、イヴァンナ囚の治療過程がおもわしくないということを伝えられたのだよ」


「…っあ───」


レイリードはギクリとした。


「レイリード君、
君、イヴァンナ囚について思うところでもあるのかね?」


上官は、渋い印象の顔に不釣り合いな無邪気な眼差しをレイリードに向けた。


「いや、
何て言いますか・・・・・」


困り顔で頭を掻くレイリード。
彼はどうにもこの上官が苦手だった。
─犯罪心理を扱う専門の心理士─
そのイメージのみなら厳格で冷静沈着な、正にレイリードそのもののようなイメージであり、
その仕事に就くもの全てが彼と同じような性格であろう・・・と思っていた、