イヴはカッとした。
レイリードは、
怒りはしない。
たかだか紅茶一杯で。
彼は見下して馬鹿にしていたのだ。
一人、汗を流し働くイヴを。
一人、無我夢中になっているイヴを。
「最低だねあんた!」
イヴは拳をきつく握り締めた。
「外道に堕ちた犯罪者に、最低呼ばわりされる覚えはないがな。
ま、せいぜい労働を頑張ってやりたまえよ」
レイリードは冷たい微笑でイヴを突き刺した。
イヴは唇をギュッと噛みしめてレイリードに背を向けて、
労働に従事した。
その頬に
一筋の滴が垂れた。
──何も、
何も知らない癖に──


