my sweet home~行方不明の私~

その隙に、
レイリードはなんの気なしに空っぽのコップに再び紅茶を注いだ。


紅茶のコポコポという音にハッと目を醒ましたイヴは、
注がれた紅茶が目についたとたん、素早く手を伸ばした。


今度こそ、と思い飲み干した後レイリードを見ると、
レイリードはやはり興味のないような顔をしていた。


「で?」



再び紅茶を注ぎ入れ、
見下した瞳でこちらを見るレイリードに、
イヴは取り乱した。


「何で!?
わたし、あんたの物を横取りしたんだよ?」



テーブルに振り降ろされた拳の振動に紅茶の赤茶色の水面が波うった。



レイリードは紅茶をすすった。

「可哀想に。
たかだか紅茶一杯だよ?ん?」