その後、タケルがどうしているのかは、解らない。

風の噂で、入院したと聞いたか、真実かも解らない。
確認しようにも、住んでいた家は壊され、連絡先も知らない。


どうして、実の子ではない、あたしを、可愛がってくれていたのかは、解らないが、少なくとも、父親の愛情を教えてくれた事には、感謝している。


母親や異父姉にとっては、最低な男だったかもしれないが、あたしにとったら、たった一人の父親だった。