わたしは放課後、幼馴染の藤島光(フジシマコウ)を呼び出した。


誰もいない教室。



夕焼けが教室を赤く染める。


「ごめん、わざわざ呼び出して。
でもわたし、藤島くんにどうしても言いたいことがあったの。」



うんともすんとも言わない光。


だけどわたしは言葉を続けた。


「わたし、ずっと前から藤島くんのことがす・・・」
「あ、わらびもち屋来てる!
ちょっと俺買ってくるわ。」



さえぎられる言葉。



「えっ?
ちょっと!」



わたしは光を呼び止めようと声をかけるが、それも虚しく、光は財布を持って出ていってしまった。



「好き」と言わせてくれないまま。