~イチゴ(15)の気持ち~



イチゴはね…真っ赤な実なのに 花の時は白いかわいい花なんだよ。
大きな緑の葉っぱに守られて、素敵な実になろうと 咲いているんだよ。

イチゴはね…花が咲いただけじゃ出来ないんだよ。
みつばち達が花から花へと 花粉を運んでくれて実がなるんだよ。
でもね、飛び回るみつばち達がうるさいなぁって思うこともあるんだ。

イチゴはね…花が散ると黄緑の小さな硬い実ができるの。
黄緑色でこれから赤くなろうとしているのに、みんな青い、まだ青いって言うんだ。

イチゴはね…お日さまをたくさん浴びて、おいしい水を飲んで、赤くなる準備をしているんだよ。お日さまのまぶしい光にドキドキしたり、水のおいしさや大切さに気がつきながら大きく 大きくなるんだよ。

イチゴはね…春を待っているんだよ。
春ってどんなものなのかもわからないけど ドキドキしながら待ってるよ。
まるで、まだ見ぬ赤い糸の人を待っているかのように。

イチゴはね…苺はね いろいろな物になれるんだ。
姿、形は違っても苺は イチゴなんだよね。
何になろうか悩んだり、こっちになりたいと迷ったり…
でもね イチゴは イチゴ なんだよ   

イチゴはねいい恋をして甘く、真っ赤になっていくんだよ。
イチゴちゃん、すてきなイチゴになりますように。