「麻衣、どこに行ってたの?隆ちゃんきてるわよ。待ってたんだから、あんたの帰ってくるの。ちゃんと挨拶しなさいよ」
そっと家に入り、部屋をのぞいた。


「麻衣、こんちわ。おまえ、また、背伸びたんじゃねー」


『…』


何も言えないよ。なんだよ、こんちわって。


背伸びたって…他に言うことあんじゃないの?


タカト兄のバーカ…


「…あのさ、この人、美咲って言って、大学の時の後輩なんだけど…花火見たいっていうもんだから一緒に…」


『ふーん、はっきり言いなよ、彼女ですってさ、タカト兄。こんにちは、こんな馬鹿タカト兄のいとこの麻衣でーす』


「バカって、お前なぁ…」


美咲さんはそんなタカト兄の様子を見て笑いながら言った。