「恭子さんと話してたとき口調違ったよね?一人称もたしか俺だったしどうして?」


茜がそう聞くとやってしまったという顔になったがこたえてくれた。


「あれは荒れてた時の名残でキレたりすると昔に戻ってしまうんだ」


「怖かったよね。ごめんね……」


落ち込みながらセツナは謝ってきた。


「ううん。私のために怒ってくれたんだもん。全然怖くないよ。むしろ嬉しかったよ」


頬を赤らめながら言うとまた抱きしめられ、今度は唇にキスをされた。


「ん…!」


最初は驚いたけれど優しいキスに次第に酔いしれていった。


何回もついばむようなキスをしてから茜は解放された。


茜はキスの余韻でぼーとしておりセツナはそれをとてもいとおしそうに見つめていた。


茜がこっちの世界に戻って来た頃にセツナが


「晩ごはん作ろうか」

と言って二人で作って夕飯を食べた。


そうして夜になり、二人は今まさに寝ようとしていた。


「茜、おいで」


そう言って両手を広げている。


茜は恥ずかしかったけれどセツナは甘やかしてくれて、家族の温かさみたいなものを教えてくれるきがして嬉しかった。