<季節>サンタクロースの願い事

「どこ?どこにいるの?っはぁ…はぁっ」



息を整えながら、公園内を走る。



あのベンチ…



いない…



どこ?



「秀治!!っ」



あたしの声は、シンと静まりかえった公園内に響き渡る。



「っはぁっ……秀…治ぃ~…」



キョロキョロ動かしていた、顔も自然に止まり目から涙が零れおちる。



「っうぅぅぅ~っ…秀っ」



止める事の出来ない涙が頬を伝って、積もりだしていた足もとの雪の上に落ちては消える。



公園内の寂しい空気の中、私の体はどんどん雪に掠れていく。