時間だけがどんどん過ぎて行く。



だけど、奈々子も愛子さんも見つからない。



映画館にデパート…



至る所を探しまくる。



さっきまで、あんなに晴れ晴れとしていた空が少しどんよりとし始め



次第に夕日が見え隠れしてくる。



俺は、汗だくになってた。



(俺にできるのは、これしかない…し)



俺を突き動かしているのは、兄貴への想いだけ。



空からパラパラと雪が降り始める。



回りの街頭も光を灯し始め、白い俺の息が浮かび上がる。



その時、大通りの向こうでアノ声が聞こえた。