昨日の夜の出来事が嘘のような



晴れ晴れとした青空の中。



学校指定のコートに身を包んで俺の足はいつもの通学路を進む。



(あっ・・・)



俺の目に彼女の姿が映し出される。



彼女のセーラー服が風になびきながら



俺の横を通り過ぎていく。



(やっぱり・・・どこか・・・で)



「なぁ、彼女がそうなの?」



俺の思考回路に横やりが入る。



「おいっ!勝手に頭の中に入ってくんな」



普通の人からは見えないらしい・・・あの男が俺の横で



宙に浮きながら聞いてきた。



そう、昨日の男。



サンタクロース・・・の見習いの男。