<季節>サンタクロースの願い事

「ねぇ、了くん?今日、どうしたの?ずっとボーとしてるけど」



奈々子の声にハッとして、すぐに彼女に笑顔を向ける。



「えっ?」



俺の態度に彼女は、ふぅと溜息をつく。



「やっぱり、なんかあったんじゃないの?・・・もしかして、お姉ちゃんに何か?」



「違うっ違うっ!!」



彼女の悪い考えを断ち切るように思いっきり否定する。



「ちょっと俺個人の事で・・・さ。



愛子さんは、関係ないよ。大丈夫。」



俺の言葉に彼女は、ほっとしたようにコーヒーカップに手を伸ばす。



「でもさ、了くん。本当に大丈夫?なんか昨日の了くんと違うから・・・



心配・・・だょ」



彼女の最後の言葉の語尾は消えそうなほど小さかった。