「・・・愛子さん、隣座ってもいいですか?」



俺の言葉に一瞬目を丸くする、彼女。



「どうぞ」



俺は、さっき来るときに買ってきていた缶コーヒーを渡す。



「これ、よかったら・・・」



「ありがとう」



俺の手の中にあった缶コーヒーを彼女は、嬉しそうに握りしめる。



それだけで、なぜか心が温かくなる俺がいた。











それから、愛子さんと俺は2時間近く公園で他愛のない話をして別れた。



その2時間の中でも誰もベンチに近づく者はいなかった。