<季節>サンタクロースの願い事

「なっ了!今日ちょっと帰り付き合って欲しい所があるんだけど」



「うわっ」



休み時間になったことさえ気づかずに友達の声に



驚いて大声を出す俺。



「了?お前、大丈夫?」



友達が心配そうに俺の顔を覗き込む。



(言えねぇーっ!シュウジの事なんか言ったら絶対笑われる)



「大丈夫!」



友達に悟られないように笑顔というバリアで覆い隠す。



「でさっちょっと付き合って欲しい所があるんだ」



友達のそのキラキラした瞳に逆らえずに



思わず「いいよ」って言った事に少しの後悔と期待をするなんて



この時の俺は知る由もなかった。