<季節>サンタクロースの願い事

そんな、私の体がフワっと温かいもので包まれる。



「っ………」



流れていた涙が一瞬止まって…



大きくて、優しい腕が後から抱きしめてくれていた。



「愛子…」



大好きな、あなたが私の名前を呼んでくれた。



「秀っ!!」



後を振り返った私に、あなたの優しい笑顔と涙が迎えてくれた。



ギュウってお互いに力を込めて抱き合う。



公園内の空気がなんだか、暖かいものに包まれた気がした…



止まっていた涙がまた、溢れだしてくる。



「愛子…」



秀治の唇が私の唇と重なり、想いが伝わってくるように優しく触れてくる。



「秀治…ごめんね。私、秀治の事」



「愛子…いいんだ。俺…もう一度だけ君に会いたかったんだ…たとえ君が俺を忘れていようと…会いたかったんだ」



秀治が私に大好きな笑顔を見せてくれる。