高台にそびえ立つ大きなマンション。



いわゆるマンモスマンションと呼ばれる



17階のベランダから



下に見える夜景をボーと眺めている男。



未成年のくせに口には、タバコがくわえられていて



12月の寒空に消えては現れる、男の白い息とタバコの煙。



ベランダに届く風に鳥肌が立ちながらも



一向にその場から離れようとはしない。



男の顔には少し疲れが見える。



受験生の彼には、やる事が山ほどあるからか。



それとも、何か考える事があるからか。