料理もその内の一つだ。


関心の薄い綾だけど、料理に関しては他よりは関心を示したから死にものぐるいで頑張った。


だから、今ではちょっとした料理人位の腕はある。


「わぁー、相変わらず美味しそうだ」


「本当に♪食べて食べて」


僕は弁当と箸を綾に渡した。


「ありがとう」


綾は受け取った弁当を相変わらずだるそうに木にもたれたまま食べはじめた。


僕は綾がどんな感想をくれるかドキドキしながら待っている。


「うん、美味しいわ。葵の和食って結構好きだな」


綾がほめてくれた♪


もうそれだけで一日頑張れるよ。


「よかった♪綾の好きなきんぴら入れたんだけどそれはどうかな?」


「かためであたし好みだよ。葵もはやくお昼食べなよ」


「うん」


やっぱり綾と一緒にいるのは落ち着くな。


ありのままの僕を認めてくれるから居心地がいい。


綾はあまり話す方ではないから、一言二言話して二人はお弁当を食べ終えた。


僕が弁当箱を片付けていると綾が舟を漕いでいた。


「綾、眠いの?」


「…うん……お腹いっぱいになったからかな…」


こたえた綾は今にも瞼が閉じてしまいそうだった。