「断る。」
「わかりました。では、あなたの命を私に下さい。」
「同じジャン。(死んでくださいと)」
「くれなきゃ、あなたを殺します。だから下さい。」
女は男にまるであめ玉を催促するようにいった。
「どっちもいやジャン。」
男はいやがった。
「このわがまま野郎が。」
「えっ?」
ぶち切れた女は釜を取り出し男の首に当てた。
「ひぃいーー。」」
やばい、このままだとやばい。こういうときどうすればいいんだ。
男は考えていた。そして、閃いた。
「実は、俺、君のことが好きなんだ。」
「えっ。」
驚き女は釜を落とした。
そして男は女に抱きついた。
「きゃぁ。」
女は不意をつかれたため倒れてしまった。
男は女から離れ釜をとった。
「動くな。」
男は釜を女の方に向けた。
「くっ。」
女はしまったという顔をしていた。
釜を持った男は調子に乗っていた。
「ははは、これで俺の方が有利ジャン。」
「くっ。」
女は男を睨んでいた。
「へっ、こっちには武器があるジャン。怖そうな顔をしても無駄ジャン。」
「貴様、私のことが好きと言ったのはうそだったんだな。」
「ばかめ、あれは生きるための手段よ。だれが人の命下さいというクレイジーな奴を好きになるか。」
男は正論を言った。
「うえーーーん。えんえん。」
女は泣き出した。
「な、泣くなよ。」
男はおどおどしていた。
その瞬間を女は見逃さなかった。
「もらった。」
「し、しまった。」