「え-とゆうことで劇はロミ男とジュリ仔で。」
今は5時間目。いつもなら楽しい楽しい夢の中のはずだけど…今は大嫌いな黒板の前。
みんな楽しそうに賛成の拍手をした。
今日は文化祭の約1カ月前で、クラスの出し物を考えていた。クラスでの出し物は2つ。1つは教室でやるもので、もう1つは体育館でやるもの。
今決めていた『ロミ男とジュリ仔』は体育館での出し物。
私は(強制的に)実行委員にされて…、もちろん先生に。
「じゃあクジひきに来てくだっさぁ~い。」
クジといってもあみだくじ。
『ロミ男とジュリ仔』は、1595年くらいにイングランドの劇作家ウィリアム・シェイクスピアの書いた『ロミオとジュリエット』の演劇部部長のアレンジ版だ。ちなみにもちろんタイツは履かない…はず。
「ジュリエットはやだけどロミオならやってみたいな~」
「ジュリ仔とロミ男ね、まあ確かに。」
そう、このクジはやり直しなし。もし男子が女子役を、女子が男子役を引いたとしても…。