金魚花火


「ご…ごめんなさい…。」



泣いて泣いて数十分経ち、やっと我に返った私は何故か彼の前に正座をしながら謝っていた。

神谷は心配そうに顔を覗き込んできた。

少しドキッとする。



「大丈夫か?」

「う…うん…もう平気…」



そか、と言いながら立ちあがった。



けど…なんで神谷…ここに来たんだろう??



小さな疑問を抱きながら、立ち上がろうとするのだが…何故か力がはいらない…。

周りを見まわしてみるが掴まれるようなものは…ない。



「あの~…神谷クン…。」



扉の前に経っている彼を呼び寄せる。



「柚。」

「へ??」

「柚でいいよ。俺も留依って呼ぶから。」

「は…はぁ…。」