「う~ッ…寒い…。」
2枚セ―タ-を着こんでいたのに…冷えてきた体は鳥肌が立ってガタガタ震えて、いつもは子供みたいに暖かい自分の手が氷のように冷たくなってきた。
室内なのに…吐く息は白い。
「ホントにッ何処に置いたのよ…あの馬鹿先生…。」
携帯を開くと、6時になっていた。始めてからもう2時間近くたっていた。
そりゃ…――――さすがに寒くなるよね。
「早く帰りたいよぉ~…」
静かな部屋の中は、隅から隅まで適当にひっくり返しちゃったおかげで床はホコリとゴミと書類の山で溢れていた。
と、その時…
廊下から音がして、歩く音が…きのせいかだんだん大きくなってきた。
まさかッ――――――『幽霊』…!!!
「お…落ち着けッ…」
とりあえず、近くにあったロッカ-の中の長いホウキを両手でしっかり握ッて後ろのドアを見つめた。
寒さのせいか恐怖のせいか…体が震える。
