金魚花火



「…吸ってみる?」
「え…??」



机を挟んでいたとこにいたはずが…いつの間にかすぐ目の前にあった先生の顔。身を乗り出して留依の髪を触っていた。

そして…髪を掴んだまま自分の…綺麗な唇に――――そっと当てた。

視線が合ったままなで固まる体。



 ―――え…いまのって……??



「おーい?花田?」
「え…、わッッ…!?!?!?!」



何があったのかよく分からないが…後ろに思いっきりひっくり返っていた。普通の、背もたれも付いているソファ-に座っていたはずなのに…。

真上に先生の顔が見える…ソファ-に座りながら、さっきの事でツボに入っているのかおなかを抱えて笑っている。



「プッッ…―――アハハハッ!!」
「なッ…なんで笑ってるんですかッ!?」
「だって…お前…面白すぎッ…」



そう言いながら手を伸ばしてきた。さっきの…髪を触ってた…―――