金魚花火



「ねぇ留依、放送で名前呼ばれてるよ??」
「ブッ!!」



飲みかけていたお茶を思いっきり吹きそうになった。
今は楽しい嬉しい昼休み中。今日の授業は全部終わってくつろいでいた時だった。



「『放課後職員室に来てください』…だって。何やらかしたんだよお前。」
「あ、成実。」
「!!」



声がして振り向くといつの間にか後ろに成実、特にいつもと変わらないかっこいい顔で笑っている。


なんで…呼び捨てだったの?


普通のノリなら聞けそうな事も、何故か心のどこかで躊躇ってる自分がいて…



「…多分寝てたからだと思う。」



何故かぱっと目をそらしていた。



「ぁ-あ、今日は私ついて行けないよ。」
「え、なんでよぉ~?」
「もう部活あるからサ★」



よっぽど嬉しいのか、珍しく鼻歌を歌っていた。