女王様御用達。

……はっ。

これだからシルルク人は。


「貴方の国の方は、人間を他者の別のものにすり替えるのがお好きなようだ」



彼ははっとした顔をした。

むむむと、腕を組み、考えている。


「確かにね」


彼は残念そうに納得した。


「でも、もう少し大人になったら君もわかるよ」


また子供扱いか。


「人間、人を優劣で判断して自分が勝っていることに安心して生きていく。より安心するために、自分が優位に立つためにがんばって生きる。自立したらなおさらね」




「それは、人を見下すのも正義と言わんばかりですね」




「正義は自分で作るものさ。自分に都合のいいものが正義。国が違ったって同じさ」




「一緒にしないでください」



本気で怒る僕に、彼は始終むかつくほど優しい口調で答えた。



「やっぱ、君、ボクの側近として欲しいな」



「間に合ってます」



「残念だなぁ」


彼は僕を追い抜き先を走り始めた。


何で僕はこの王子も守っているのだろう。





……しかし、彼の言っていることを、心のどこかで正論に感じられる自分が悲しかった。