女王様御用達。

森は深い。

太陽の位置や木の切り株を判断し、北をひたすら目指す。


「何でバケモノがこんなところに!!」


巡回中の兵士がいれば、クナイ状に加工した剣の欠片をダーツ感覚で投げつける。




「……っ!?この子供!!」



「黙れ9人目!!」


体に刺さった剣の欠片から葉や枝が出て全身を拘束しながら広がる。


「わあ!!」


兵士から武器を没収し、ポチやレースさんに持たせてまた走る。

でも、遠隔で栄養補給しているので、あまり剣までエネルギーが届かない。

僕の力が順調に吸い取られていく。

気をしっかり持たなきゃ。


「国境までどれくらいですか?」


「後2㎞くらい」

レースさんの声にまた力を奮い立たせる。

弱い。

倒れる自分を容易に想像してしまう。



「さっきの工作はこの時を対策だったんだね」


歩調を早めたウリム王子が、僕の横を走る。

僕の気なんか知らないで、ウリム王子は関心したように頷く。



「本当に、君は凄いね」



何者なの?と言いたげだ。


「……ありがとうございます」


僕はふて腐れて顔を背ける。