女王様御用達。

私とペスを見据え、機嫌悪そうに目を伏せ目がちに。

「そいつらは?」

「ルールさんの手紙の方々ですよ」

ああ、呟いてちらちらと私とペスを見つめ。

そしてペスの方に目をとめる。

「貧しそうなのが、魔法陣の?」

魔法陣の?

「作家のペスさんですよ。アオイ様」

まるで主の口を止めるかの如く、間髪入れずに挟み込んでくるフィヨルドさん。

何だ?

彼女の手紙には何が書いてあったんだ?

奴には魔法とは無関係。

そんな能力なんてみじんもない。

強いて言えば、クリスタルさんが魔女として仕立てられる状況の中、常に一緒にいて無傷で生還したコイツ。

さらにクリスタルさんの資料はコピーで、ほぼ内容は墨塗り。

原本は禁忌資料扱いとして女王の手に渡ったというその状況の中生き残ったという妙な奴ではあるが……。


ひょっとして、私のことかとも思った。

しかし、私の術は魔法だが魔法陣とそんなにも特別な関係でもない。

身なりで、どっちが女王騎士か一般人かはバカでもひと目で分かる。

やはりペスか。


「そっちの金色ぐりぐりは?」

領主は指でらせんを描く。

ぐ り ぐ り ?

「サギさんです」

さらっと答えるフィヨルドさん。

「ぷ」

うわっダセェ。

震えながら笑いをこらえるペスを私は睨み付けた。


「ああ、よろしく。グリさん」

「サギでございます。アオイ領主」

笑顔で答えるのが25の大人な対応だろう。

……口元が上手く動かない。

言いたい。

貴様の領より国土は狭いが、大きく収益を上げている立派な国の王子だと名乗り出たい。