女王様御用達。

「はいはい、えーえー」


ドアの向こうから適当にあしらう男の声が近づいてくる。


ひょこっと顔をこちらに向けた。

白い肌にキミドリの髪。

見た感じ23程の彼は緑の目でこちらを窓越しにのぞき込む。


「えっと、リュウズの方ですか?」

まるで雇われはじめのようなけだるいかんじで聞いてくる。


「「はあ……」」

にこっ。

彼は満面の笑みで首を傾けた




「お待ちしていました」




家の中は豪華な調度品が所狭しと飾ってあった。

「主は図書室で本を読んでいますので、ご案内します」

長い長い廊下を彼を先頭に歩き始める。


「私の名はフィヨルドと言います」


その名前は聞いたことがあった。

幼いとき、魔法の研究者の一人として教科書にのっていた者だ。

良く家庭教師を欺いて授業からは逃げていたが、それでも私は聞いたことがある。

…だとすれば、この男。

見た目より数段年はいっている。

「何か?」

「いいえ」

私は目を反らす。

「楽にされてください」

180あろうかと思われる長身に、魔法陣が折り込まれた布を重ねて法衣としている。


「貴方は、サギ・アールビィさんですよね?」

女王騎士としての一般通り名だ。

その場合、グリディアは隠す。


「なぜ、私の名を?」

「ルールさんより手紙で伺ってます」

ルールさん。

うちの女王をさんずけ。

たかが領主の家来が。

馴れ馴れしい奴だ、私は頭の中で罵った。