女王様御用達。

彼の家の敷地に入って半日。

彼の領土から彼の家に入ったにもかかわらず、やっぱり同じ風景。

畑とジジババの平民達。


彼の庭に住んでいるらしい……リュウズの図書館何個分の庭か分かったもんじゃない。


しかし、だんだんと奥に従って整地された道や形のいい木、花が増えてくる。

そしてやっと馬が止まったのは。




城並の大きさのある、白い家だった。




「……でけえ。オーノンの城より明らかにでかい」


馬車から降りたマダラは家を見上げる。


「世界第2位の図書館持ちって言うくらいだからな。大きさはあるとは思っていたが……」


領主でここまででかい家持ちはなかなかいないだろう。

振り返れば、やっと領主らしき薔薇の庭が囲んでいる。

庭師の奴らがばたばたと、私たちの来客に慌てふためて屋敷に戻る。


来客を招き入れる準備がまるで出来ていないと言うところか。



そんなとき、大きな白いドアから、小柄なメイドが出てきた。

ふくよかな感じで色白だ。

美しい。

「あの、恐れ入りますがどちら様でしょうか?」

高い可愛らしい小枝。


「我々は、リュウズの使いの者です」


私は一輪花を差し出し、彼女に手渡す。

「?」

「これを美しい貴方に」

「!?」


彼女は白い顔を赤く染め、花を受け取らないままドスドスとドアの中に走っていった。

手の中の私の国特産の花は力を無くしたように首を落とす。

その様子をマダラはじっと見つめていた。


「……おい」

「なんだ?」


「今の人、身長は低いけど多分100㎏超えてるぞ。体重」

女性の体重を出すとはなんと無粋な。


「貴様に彼女の美しさは分からないのか?」


彼は何か言おうとして、あきらめて顔を伏せた。

平民は美意識が理解できないから困る。