女王様御用達。

私は拳と怒りを押さえ、深々と席に座る。

腕と足を組み、「愚かな奴め」と吐いて、ふて寝した振りをする。


くそ、まぶたを閉じても奴のにやけた顔が浮かぶようだ。


「なあ、サギ王子」

「なんだ愚民」


「一応あん…あなたは女王騎士なんでしょ?」

「仮の姿はな」

ぷっ。

鼻で笑われたような気がした。


「じゃあさ、今回俺は何を書けばいいか教えてくれませんかねー?」





完・全・に・バ・カ・に・さ・れ・て・い・る!!




「女王には聞かなかったのか?」

「なんか公務のために不在とかで、隊長さんから『サギさんに聞いて』と」


めんどくさい。



私は手元のカバンから資料を取り出す。

そのカバンも特殊な革を使い、金糸や絹を折り込んだ芸術的なカバンで、こいつが逆立ちしても買えないものなのだ。

うちの国の特産品で、貴族の観光客はみんな買っていく。

今私が着ているシャツの絹もパンツも、全部メイド・イン・グリディア。

……どうせコイツには価値すらわからないだろうが。



でも、「小物」の烙印を押されるに違いないから口には出さない。



「禁術の実験結果の物語化だ」

「禁術の実験?」


マダラの軽い口調が少し重くなった。


「女王に交流があるその領主は、質のいい魔術師を抱えているんだ。彼自身も魔術研究の第一人者でね。リュウズの魔術研究にも大きく関わっているらしい」