女王様御用達。

しかしおかしい。

資料には、コイツは身分や肩書きに弱いという報告がされていた。

だから私に恐れおののき、扱いやすい奴だと踏んでいた。


しかし、この国家への冒涜行為はなんだ。

うちの国にいれば、王の私刑で即禁固三十年程度のことをやすやすとやってのけるなんて。


「……お前は、他国とはいえ次期国王に無礼をはたらくことについて何の抵抗もないのか?」


「何が次期国王だ」


はっ!!

彼は鼻で勝ち誇ったように笑った。


「グラディア?」

「グリディアだ」

「どっちでもいい。そんな国、聞いた事ねーし」


……しらない?


「お前、そんなことも知らないのか?」

「ああ、まったく知らないね」


だからって……。


「それに、お前」

私をお前呼ばわり。

クリスタルさんもそうだが、リュウズの人間は本当に不躾だ。

そう言う耐性をつけさせるため、オヤジ様は言ったが、私はとてもこんな平民臭さが耐えられない。




「学がないだろ?」


「貴様に言われたくない!!」



ふっ。

彼は私の顔に勝ち誇ったように指を指す。



「物語で本当に凄いやつは、自らその凄さを語らないものさ」


「……は?」


「物語の冒頭でペラッとちょっと凄そうな正体を語っちゃう奴は大概小物。三枚目。物語の中盤で主人公の脇役として眼鏡探す程度に活躍できればいい方。終盤にはほぼ背景になるけどな」


つまり話しをまとめると。

私は奴の中で小物扱いされているらしい。

背景?

小物?

怒鳴り、私の国の凄さを語ろうと口を開けた。

しかし、口を開けたまま、その余裕じみたマダラの顔が目に入る。

……どれだけ語っても、いや語れば語るだけ。




コイツには『小物』として写る。