「……」
彼は私をまじまじと見た。
庶民も私が放つ高貴な雰囲気を感じ取る事が出来るらしい。
髪をかき上げ、鼻を鳴らす。
「何だ?」
「すげえ、ドリル毛」
……ドリル毛?
「カツラ?カツラなの?不自然な艶だし」
「何がカツラだ!!」
我が国からわざわざこの国に輸入する特製トリートメントと毎日2時間の手入れをカツラだと!!
貴族がカツラを常時かぶる風習は我が国にはない。
どこぞの薄毛貴族と一緒にするな!!
興味深げに伸ばして来る手を私は叩く。
「いて!!」
「触れるな!!汚らわしい!!」
「伸ばしたらどこまでも伸びそう」
「ふざけるな!!乱れる!!」
私は眉をひそめ怒鳴った。
「庶民の一風情が。私に気安く触るでない!!」
あまり、気が進まないが仕方ない。
この学のない愚民に格の違いを示さなければならない。
「私は、グリディアの国の第一王子だ」
彼はポカンと口を開けた。

