女王様御用達。

「していただけますか?」

おそらく他の奴らならば、そんな質問はしないだろう。

これは私が他の女王騎士とは違い、客の立場だからだ。


私の立場はこの国では伏せられてはいるが、ルール女王と同等の身分をもっていた。

「1つ疑問があります」

「何でしょう?」

「何故、私なのですか?」

彼女は館長の席で報告書を置き、軽く眼鏡をゆすった。

度が合わないらしく、目をしょぼしょぼと瞬いている。


「遠回しでしたね」


私は首を振る。



「……前回、彼と共に行動したクリスタルさんに、何があったのですか?」



「ああ」、彼女は思い出したように頷いた。



「彼女は、大きな罪を犯しました」



魔力封じの手錠。

彼女を連れて行くエリート兵士一団。


「どのような?」

「オーノンの国で、悪魔と契約したと思われる男と接触をとり、王室に招き入れた疑惑があります」


悪魔契約。

それは禁忌と言われる魔術の1つだったはず。

あの女は確かに品は無かったが、物事の善し悪しはある程度分かっていたはずだ。

悪魔に関わった者は魔女裁判にかけられ、処刑される。

それくらい、あの女が知らないはずもない。



「疑惑、ですよね?」



「オーノン側は否定してますから。しかし、リュウズ側としては重く受け止めます」


彼女は薄く上品な笑みを浮かべたまま組んだ自分の手を唇に当てる。




「それに、今、彼女の体には悪魔の力が宿っています」




彼女が作り出した不自然なまでに漆黒の黒い槍。




切っ先が目の前に突きつけられた場面を思い出し、私は顔をしかめる。