女王様御用達。

「お姉ちゃん、大丈夫?」

「何とかね」


声を出して正気を保つ。

「ハチ、王子、シュシを起こして!!」


例え防御で守り切れても、その後アタシたちに反撃に出るほどの力は残っていないだろう。




「「はい!!」」



と2人駆け寄るものの、シュシもそのダメージははかりしれない。

転がってきた彼を見たとき、十分重傷なのは分かっていた。

でも、この中でまともに戦えるのはシュシとアタシとミアくらい。

残りのメンバーに希望はない。


背後で壁がさらに壊れたような音がしたが、振り返る力も無い。


ただ、この部屋の壁の床がだいぶ亀裂が入っている。


ミアの氷が壊れても再生し、やっと崩壊を免れていた。




…正直、いっぱいいっぱいだった。



そんなとき、突然、氷の衝撃が緩くなった。


自称神が手を引っ込めたからだ。



『なかなかの堅さだ~』


パチパチパチ。

アタシ達に向かって拍手する。


『人間にしては上出来だね。つうか、本当に人間?』


突っ込む余力が残ってない。


『んじゃあさ~』

彼は白い手と褐色の手を両方こちらに向けてきた。



『二倍の威力になったらどう?』



その、冷えた笑顔は心底アタシ達の血を引かせた。




ドスン。


全身を叩かれたような酷い衝撃をまともに食らいながら、アタシは床に手を突く。


「お姉ちゃん!!」

ミアが悲鳴のように叫ぶ。


壁に小さな亀裂が所々に生まれていた。


アタシはできた亀裂を目で追い、そこを中心に力を込める。


しかし、修復が間に合わず、ひび割れの面積は増えていく。


明らかに白く亀裂が入っていく壁。



パンッ。

背後で何か氷が砕けた音がした。