女王様御用達。

「!!」


『よそ見しちゃだめ~』


白い手が、シュシの目の前に迫っていた。


シュシがいたその場が、爆発を起こす。





『お兄ちゃん!!』




一番響いた悲鳴は、白銀の騎士のものだった。


シュシがこっちまで飛び、コロコロとアタシたちの前まで転がってくる。


アタシの足に体が当たり、とまった。


大剣は砕け、柄だけになっていた。

小さくけいれんするように体を縮こませ、歯を食いしばり悶える。



『いやあああああ!!』



涙をポロポロ流し、狂乱するように叫ぶ白銀。

鎧の手で氷の格子を掴み、顔を押しつけてシュシに近づこうと必死だ。



「神、来ます!!」


ハチの声にアタシは我に返る。


『白銀ちゃん、すぐ終わるからね~』



白銀の騎士は人質。


しかし、ローブの下の銀色の目は狂気に満ちていてそんな交渉できる余地はない。

むしろアタシたちを全員瞬殺できる力があるだろう。


シュシに回復魔法をかけなきゃ。

しかし、それをしてしまえばいざというときに防御魔法が使えない。


「……っ」


ミアが水晶のような氷の壁を作り上げ、その中にシュシごと包み込む。


やはり防御が先決とミアは踏んだらしい。