女王様御用達。

アタシの背後から、顔の横を、何か銀色が走った。

まっすぐ、弾丸のように。

ギュン、そんな激しい音を立て、その銀色の細長いそれは神に向かってまっすぐ飛んでいった。


『ーーっ』


それらは神の褐色の手の甲に深々と突き立つ。

銀色の美しい鳥の羽。


『白銀ちゃん?神ちゃまに何すんの?』


白銀は自分の手を自分の手で包み込み、カタカタと震えている。




『どうして?』『何故?』




そんな言葉を自分に言い聞かせ、静かに取り乱している。


『あーあー。体内の銀を相当使って、混乱を起こしちゃってるのね』


と、その腕を、黒い腕が掴む。

『あっ』



爪が深々と肉に突き立て自分の方に引き寄せるシュシ。


『このっ!!』


「ユリハを返しやがれ!!」


もう一方の手で、彼の手首を切り落とした。



『~っ』


宙を舞う、神の手。

その指は白銀に塗られ、床にたたきつけられる。


床にボタボタボタと銀色の液体がしたたり落ち、神は蹌踉めいた。



『ううーううー』


……なんだ?


変に棒読みかつわざとらしい体のくねりでローブの下の傷口を押さえる。

と、急にそのくねくねをやめる。



『……ぬわーんちゃって』

「!?」

ぬっと、やたら白い肌で銀色の爪の手が袖からでてきた。


手は確実に切ったはずだ。


今も床にその手が。


床に着られた手が、床を指だけで動き、密かにシュシの後ろに近づいている。



「シュシ、後ろ!!」


シュシが振り向いた瞬間、その手は剣に飛び乗った。


手が爆発し、剣を包み込む。