女王様御用達。

平和って何だっけ?


大穴のあいた城の壁。

叫び、のたうつシュシ。


……昔見た、合成獣の失敗の残骸。

迫り来る神の背後に、その言葉とは無縁の光景が見えた。


アタシの中のゲシュタルトが崩壊しそうだ。


この女を守る義理はない。

しかし、コイツを渡せばこの後も王の首は切られ続けることだろう。

自称神の宣伝役として。

「……俺の肝臓をくれてやる……」

ぽつりとシュシは呟く。

「……じゃあ、肝臓に腎臓をつける……」

『ん?』

その一人だけの会話に、神は振り返った。

「……俺の肝臓と腎臓と大腸をくれてやる!!」


声の限り、シュシは叫ぶ。







「俺に替わりの腕をくれ!!」





声に呼応したように、剣から黒い煙が出て、その煙が腕を形成していく。

不自然なまでに黒い腕。

とってつけたような、その顔との色の落差。

爪は獣のように尖った爪がついていた。


『まったく、悪魔と契約しちゃうなんて愚かな子羊さん』



シュシは床にぼたぼたと血を吐き出す。


『その悪魔の元に行き、魂を食われちゃいなさい』




神はふらつくシュシに手を伸ばす。