女王様御用達。


アタシを睨み付けてくる少女は、ふいっと顔をそらして、男2人が戦うその光景をその瞳に写す。


絶対的に優勢なのはやはり神だ。


たまに剣がかするように胴を切るが、切り口は銀色の液体になり、そのまま再生してしまう。

神は手で剣を払い、王室を踊るように遊び逃げながらゆっくりとこちらの方向に向かってくる。


『カワイイ白銀ちゃんを返していただきたいだけなんだけどなぁ~』


「無理矢理拉致っといて所有権を主張するな」

『んもぉ、争い事は嫌いなのよ。神ちゃまは』


と言いつつ、剣を持たない方の軽く彼の腕を触る。


『乱暴者にはこうだぞっ』


シュシの白衣の下がうにうにと生物が動き回るかのような見たことない動きする。


と、突然その腕が、爆発した。


「王子!!」

ミアが王子の視線をふさぐ。

ハチが口を押さえ、目を背ける。



「ーーーーーーーーーーーーーーっ」



声、鳴、音、どれともとれない超音波を、大きく開いた口から世界に向けて放つシュシ。



体を大きくくねらせ、神と距離をとる。



『痛いでしょ?痛いよね?可哀相な子羊』


わざとらしく哀れむ。


「……何を」

『うん、腕を発酵させてみた~』


あははと、まるで悪戯なガキみたく笑いやがる。

『正確には腐敗かな。人間は細菌の活動を自分の利に成るかどうかで言い方を変えるけど、その反応は同じなんだよね』

「……っ」

『君の体内にある菌たちに力を貸して、急速に活動させてみた。まだ君を傷口から急速に腐敗し続けるよ』

軽い口調でとんでもない事をしゃあしゃあと。



『つうことで、見物の方々』

くるーりとこっちを振り向き、フードの下でにっと笑う。


『そろそろ彼女をお家に帰らせたいのですが』



シュシは両膝をつき、呻きながらなくなった腕を押さえる。



『平和的に渡して欲しいですねぇ~』





カツン、カツンとこっちに歩いてくる。