女王様御用達。

ローブで顔を隠し、体をくねくね恥ずかしがる……自称神。

なんか……想像していたより……まあ確かに邪悪そうだけど……。

ちょっと違うベクトルというか。


「ニアさん、こいつがすべての元凶なんです」


おちゃらけな調子の神に真顔で対応するシュシ。


「ユリハ……白銀の騎士は、こいつに操られているんです」


騎士は神しか見えていない。


「液体になる体質も、記憶も、王の殺害も、国の行く末も、こいつが白銀を操りやってきたことです」


フードの下の顔は見えないが、口は笑っているようだった。


「世界を都合良く動かすためにね」


彼は悪びれる様子はない。


『だって~、神様は世界をまとめるのが使命だもの』

「この変態は、宗教団体『トキノタミ』の代表なんです」

『へ、変態って』



トキノタミ?

聞き覚えがあるぞ。




「……科学と古代魔法を巧みに操り、魔法大国を犯罪国家に陥れた宗教団体の名がそれですね」

ミアがこちらを見つめる。


「お姉ちゃん達が潰したことがあったはず」


ああ、昔1回ルールの指示で、女王騎士全力で潰した事があったな。

どこもかしこも白い箱のような町で、すべてが単純化された町。

その地下には非合法の合成獣を生産し、多くの国の人間が実験材料にされていた。

そしてそれらキメラは、戦争の兵器として他国に売りさばかれていた。



あまりのその惨い惨状に我も忘れ暴れたものだ。

屍が白い床を赤く染めていた。


その研究所に書かれていた技術提供者がトキノタミという宗教団体。

国ができるほど巨大な組織と聞く。


古代魔法の解読と古代遺跡の解明、独特の科学技術はとても高いと聞くが、信者の洗脳や増える行方不明者の多さに要注意団体としてリストに上がっている。



代表の人物は不明だが、確かに信者達は皆『神様』と呼んでいた。